“アミノ酸プール”とアミノ酸スコアの関係
ご覧いただきありがとうございます。
アミノ酸シリーズ第3回は
「”アミノ酸プール”とアミノ酸スコアの関係」
【アミノ酸シリーズ一覧】
第1回「必須アミノ酸とその効果」
第2回「“アミノ酸スコア”と必須アミノ酸の関係」
第3回「“アミノ酸プール”とアミノ酸スコアの関係」
第4回「運動の源!筋肉の源!『BCAAの効果』」
第5回「アミノ酸の王様『EAAの効果』」
第6回「非必須アミノ酸のそれぞれの効果」
番外編「筋肉の主原料『ロイシン』の効果」
《目次》
アミノ酸プールとは
お肉やお魚など(たんぱく質)を食べ、それが腸でアミノ酸に分解され体内に吸収されると
全てではないですが、一定量のアミノ酸を身体の中に貯めておくことができます。
それを「アミノ酸プール」と呼びます。
アミノ酸プールとは大雑把に言うと
身体の中(血液や細胞、組織[筋肉など])で余っている、未使用のアミノ酸です。
そしてアミノ酸は特に筋肉などの組織に多く貯蔵されています。
アミノ酸プールからアミノ酸が利用される時は?
①身体の中の糖質が足りない時
②怪我や風邪などで体調をくずした時
➡ハードなトレーニングも含む
③ストレスを感じている時
など
ちなみに「風邪を引いた時はプロテインを飲め!」
なんて言葉は、筋肉オタクの根性論に聞こえるかもしれませんが
上記のことから読み取れるようにプロテインの摂取は、とても理にかなった方法です。
(沢山服薬している時は肝臓や腎臓に負担がかかっているので注意です)
筋トレにおけるアミノ酸プールの役割
筋トレ中、アミノ酸プールから特にバリン、ロイシン、イソロイシンが利用されます。
前回の投稿でお話した「桶」で例えるとと
筋トレをすることで、この3つの板の高さが短くなります。
そのまま放っておけば、その高さからアミノ酸プールに溜まったアミノ酸は流れ出てしまいます。
結果、足りなくなったアミノ酸は筋肉などの組織に多く貯蔵されているので
そこから補填(筋肉の分解)しようとします。
つまり、トレーニング中やトレーニング後は筋肉の合成が活性化しているだけではなく
悪条件(栄養不足やトレーニング時間が長い等)が揃うと、トレーニングで筋肉の分解も促進されるのです。
アミノ酸プールとアミノ酸スコアの関係
アミノ酸プールにある必須アミノ酸9種類のバランスが崩れれば
プールに入ったアミノ酸は足りない部分から流れ出てしまうため
まず、トレーニング前の最低1時間前にはしっかりと
アミノ酸スコアの高い食事と糖質(運動前の「糖質補給」の注意点についてはコチラから)を摂ってください。
時間のない方はプロテインorEAA+ブドウ糖(マルトデキストリンなど)を摂ってください。
またトレーニング後にも十分な量の必須アミノ酸を摂り、アミノ酸プールを満たして筋肉を成長させましょう。
トレーニング前・中・後に摂るべきもの
科学的根拠+個人的な意見を含みます。
★トレーニング前は
アミノ酸スコアの高い食事または、プロテインorEAA+ブドウ糖(マルトデキストリン)
◆トレーニング中は
BCAA(+ブドウ糖[マルトデキストリン])
※トレーニング前にしっかりと糖質補給がされていて
トレーニング時間が長くても90分程度であればブドウ糖の摂取は絶対ではないです。
▲トレーニング後は
アミノ酸スコアの高い食事または、プロテインorEAA+ブドウ糖(マルトデキストリン)
(; ・`д・´)「ちょっと待って!BCAA?EAA?マルトデキストリン?なにそれ!」
(^-^)「ご安心ください。順次、解説の記事を投稿させていただきます!」
アミノ酸プールの誤解と注意点
「アミノ酸プールを満たしておくことが重要」とお話しましたが
「満たす」のと「溢れる」はまったく別ですので摂り過ぎれば
・肝臓や腎臓に負担をかける
・胃や腸に負担をかける
・脂肪として蓄積される
などのリスクがあります。
これについては以前投稿したお悩み解決!! たんぱく質の「摂取量」をご参考にしてください。
私の失敗談
私は過去に体重の3倍以上のたんぱく質量を3年以上、毎日摂っていた時期があります。
その期間は毎日下痢でした。もうそれはそれは大変でした。
適切量を知っていたにも関わらず強迫観念とは恐ろしいもので
一度増やすと際限なく、たんぱく質の摂取量が1.5倍、2倍、2.5倍、3倍と増えていきました。
その期間は並行して色々な栄養素を摂るようにしましたが全く治らず。
病気を疑い、大腸内視鏡検査をしましたが異常なし。
筋肉を増やすためだと我慢し続けましたが、いい加減耐えられなくなり
食事の数を減らし(当時6~7食)、たんぱく質の摂取量を3倍から2倍まで落としました。
その時は「これから、どんどん筋肉が落ちていくだろうな」なんて
今思えば馬鹿な悩みを抱えていました。
結果として、3年以上続いた下痢は2週間程で治まり、それだけではなく体重(筋肉量)は少しずつ増え
スクワットやベンチプレスなどの使用重量もみるみる上がっていきました。
「適量」
摂りすぎも、摂らなすぎもよくありません。「適量」です。
この「適量」というのは便利な言葉で、曖昧な言葉でもあります。
当ジムはトレーニングジムですので、主にトレーニングをする方に向けた
各栄養素の「適量」をブログに投稿しているのでご参考にしていただければ幸いです。
個人差は当然ありますが、身体が教えてくれるサイン(体調や血液検査の異常など)が
一つでもあれば、必ず見直してください。
投稿者プロフィール
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RE-ALL FITNESSの栄養コンシェルジュ兼トレーナー
理学療法士であり『栄養学』に取り憑かれた男。もとは体重49kgのガリガリ。体重を増やすため過食。食道ヘルニアとなり挫折。そこから栄養の道へ進む。現在は10kg以上の増量に成功し、パワーリフティング選手として大会へ出場している。
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