『腹筋に効かない』理由はなに?
腹筋のトレーニングをしているのになぜか
『腹筋に効いている感じがしない』
『腹筋じゃなくて腰が痛くなる』
『腹筋じゃなくて脚が疲れる』
“腹筋の筋力低下がある場合”
高確率で起きる現象です。
その理由は、何でしょうか?
どうやら腹筋のお友達が関わっているようです。
《目次》
腹筋とは
“腹筋”は4つの筋肉『腹直筋/内・外腹斜筋/腹横筋』で構成されています。
今回のテーマでは『主に呼吸、腹圧の調整などの役割を担う腹横筋』を除いた
3つの筋肉についてお話していきます。
腹直筋の働き
腹直筋の主な働きは身体(背骨)を曲げることです。
内・外腹斜筋の働き
内・外腹斜筋の主な働きは
腹直筋と同様に身体(背骨)を曲げることに加えて
身体を横に曲げる(側屈)こと
そして身体を捻る(回旋)働きがあります。
腹筋と仲良しの筋肉
『腹筋に効いている感じがしない』
『腹筋じゃなくて腰が痛くなる』
『腹筋じゃなくて脚が疲れる』
こういった現象が起きているのは
腹筋と仲良しの筋肉たちの仕業かもしれません。
次に、その仲良しの筋肉たちをご紹介します。
腹筋と仲良し『腸腰筋』
腸腰筋は大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称です。
そして、大腰筋と腸骨筋は①股関節を曲げる(屈曲)作用をもち
大腰筋と小腰筋は②身体(背骨)を曲げる作用ももっています。
またそれとは別に③骨盤を反らせる(前傾)作用もあります。
★☆★腸腰筋の働き★☆★
①股関節を曲げる(屈曲)
②身体(背骨)を曲げる
③骨盤を反らせる(前傾)
腹筋と仲良し『大腿直筋』
大腿四頭筋(大腿直筋・中間広筋・外側広筋・内側広筋)の主な働きは
①膝関節を伸ばす(伸展)ことですが、大腿直筋は膝関節を伸ばす働きの他に
②股関節を曲げる(屈曲)作用も持っています。
そして”大腿直筋は”③骨盤を反らせる(前傾)作用も持っています。
★☆★大腿直筋の働き★☆★
①膝関節を伸ばす(伸展)
②股関節を曲げる(屈曲)
③骨盤を反らせる(前傾)
腹筋と仲良し『縫工筋』
縫工筋は色々な作用をもつ筋肉ですが
主な働きは①股関節を曲げる(屈曲)作用です。
仲良し筋肉たちの共通点
『腸腰筋・大腿直筋・縫工筋』の共通した働きは
①股関節を曲げる(屈曲)ことだとわかりました。
そして『腸腰筋・大腿直筋』には②骨盤を反らせる(前傾)働きが
あることもわかりました。
では、この作用が『腹筋』と何の関係があるのでしょうか。
簡単な質問をします。
Q.Aの上体起こし運動、左右どっちが楽(らく)そうですか?
Q.Bの脚上げ運動、左右どっちが楽(らく)そうですか?
やってみればすぐにわかると思いますが
腹筋の筋力低下のある方は、感覚的に
『左の方ができそう』と思うはずです。
身体の一部を固定すると楽になる
左の方が簡単な運動になった理由は
『身体の一部分を固定』したことにあります。
例えば↓の図(左)の場合、足首を固定すると、そこを支点にして
脚全体の曲げる力で身体を持ち上げることが可能となります。
腸腰筋、大腿直筋、縫工筋の働きに加えて、この場合は
足首を曲げる(背屈)力も働きます。
また、下の図(左)の場合、後頭部を床面に押し付けることで
背面全体の力が入り、同様に股関節を曲げる力や
骨盤を反らせる力が働きやすくなります。
まとめ
①腹筋のトレーニングの場合、身体の一部を固定すると
腸腰筋、大腿直筋、縫工筋などの筋肉たちが働きやすい状態になる。
②腹筋の筋力低下がある場合、腹筋の力だけでトレーニングが出来ず
その代償動作として股関節を曲げる力や、骨盤を反らせる力が、強く働いてしまう。
その結果、腰を痛めたり、脚が疲れてしまう。
※※注意※※
腹筋の筋力強化、筋肥大を行うためには
ある程度、他の筋肉が働いてしまうのは仕方ありません。
他の筋肉が働いていても
・腰や骨盤が過度に反っている
・脚ばかりに力が入っていて、お腹に力が入っていない
などの状態でなければ、他の筋肉が働いても問題ありません。
判断の目安は『腹筋にしっかり負荷が入っていること』です。
腹筋に効かせる/怪我しないポイント
①顎を引く
背骨は《頸椎・胸椎・腰椎》が連なって構成されています。
また背骨は横から見ると、『Sの字』のように湾曲しています。
顎を上げると、連動して腰は反り
顎を引くと、連動して腰は丸まります。
腹筋を働かせるには、顎を上げず、引いてください。
また、顎を引くことで骨盤の反りが抑えられて
腰痛を予防できます。
②お尻をしめる
腹筋のトレーニングをしている時に
骨盤が反ってしまう(前傾)と
腹筋が働かないばかりか腰を痛めてしまいます。
腹筋は”骨盤の反り(前傾)を抑える作用”がありますが
お尻の筋肉にも同様の働きがあります。
腹筋のトレーニングをしている時は
意識的にお尻を締めてみてください。
③慣れたら負荷をかける。
腹筋のトレーニングといったら
トレーニングの最後の締めとして
『少しやって終わり』なんてことはありませんか?
腹筋も当然、筋肉ですので
自重トレーニングばかり行うのではなく
慣れてきたらどんどん負荷をかけてください。
【おすすめ腹筋トレーニング①】
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【おすすめ腹筋トレーニング②】
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こちらの記事もあわせてご覧ください。
投稿者プロフィール
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理学療法士として幾多の臨床経験を積んだ後、千葉県柏市に『RE-ALL FITNESS』を2020年に設立。
元々は体重100kgオーバーの動けない大食漢。そんな男がアメフトに出会ったことで運動に目覚める。アメフトを卒業してからはパワーリフティングに転向し、トレーニングに明け暮れる3児の父親。
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