スクワットの深さについて
スクワットを行う時、どれくらいまでしゃがむことを意識していますか?
また、しゃがむ深さでトレーニング効果が変わることをご存知ですか?
スクワットの効果を上げるためには『深さ』がとても重要になります。
今日はそのスクワットの『深さ』についてお話しようと思います。
スクワットの深さの種類
スクワットの深さは大きく分けて4つに分類されます。
①クォーター・スクワット
②ハーフ・スクワット
③パラレル・スクワット
④フル・スクワット
(⑤ATG・スクワット:Ass To Grass⇨”芝にお尻がつく”くらい深いスクワット)
スクワットの深さの定義
4つのスクワットの深さを具体的に知るには
『Chandlerの定義』が最もわかりやすいでしょう。
Chandlerの定義※1 | |
クォーター・スクワット | 膝関節屈曲⇨約30° |
ハーフ・スクワット | 膝関節屈曲⇨約60° |
パラレル・スクワット | 大腿(太もも)裏面を床と平行に |
フル・スクワット | 大腿(太もも)上面が床と平行
または、それ以下になるまでしゃがむ |
※1 『Chandler, T.J., Wilson, G.D. and Stone, H.M.(1989).’The squat exerise: attitudes and practices of high school footballcoaches’, NSCA Journal. 11(1): 30-34.』
ちなみにパワーリフティングではスクワットの深さについて、こう定義(試技のルール)しています。
『スクワットの深さ』パワーリフティング・ルール | |
膝頭よりも脚の付け根(ヒップジョイント)が深く下がれば成功
⇨しゃがみきった時に膝関節の高さよりも股関節が下がっていること |
Chandlerの定義に当てはめると『フル・スクワット』に該当しますが
“大腿上面が床と平行”の深さの場合、失敗とみなされるケースもあるので
“それ以下になるまでしゃがむ”のがベストでしょう。
スクワットはどこまでしゃがめば良い?
怪我や痛み、股関節や足関節の柔軟性などに問題がある方を除き
推奨するスクワットの深さは『フル』または『パラレル』です。
なぜ『フル』または『パラレル』が良いのか?
スクワットを行う理由は人それぞれでしょうが
スクワットで鍛えられる部位は決まっています。
スクワットで”主に”鍛えられる部位は3つです。
①大腿四頭筋(太もも前側)
大腿四頭筋⇨大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋
②大殿筋(お尻)
③ハムストリングス(太もも後側)
ハムストリングス⇨大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋
そして大殿筋とハムストリングスを鍛える場合
重要なことは『フル』または『パラレル』までしゃがむことです。
その理由は、大殿筋とハムストリングスは股関節の屈曲角度
つまり“しゃがむ深さ”に依存するため
浅いスクワット(クォーターやハーフ)では十分に働くことができないのです。
以上、特別な理由がない限り
スクワットは『フル』または『パラレル』で行いましょう!
投稿者プロフィール
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理学療法士として幾多の臨床経験を経て2020年に『RE-ALL FITNESS』を設立。
もともとは体重100kgオーバーの大食漢。腕立ても腹筋も出来ない男がアメリカンフットボールに出会ったことをきっかけにトレーニングを始める。やめてからはパワーリフティングに転向し、トレーニングに明け暮れる2児の父親。
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