ベンチプレス初心者の『安全なステップアップ方法』

身近にトレーニングが得意なご友人やご家族、または指導してくれるコーチはいますか?

トレーニング環境に恵まれていれば安心して打ち込むことができますが、1人で始める方も多くいらっしゃると思います。

そんな時、多くの方は自己流であったり、動画や参考書をもとにトレーニングを始めると思います。

その時に注意しないといけないのが“怪我”です。

今回はトレーニング種目の中でも特に人気の高い『ベンチプレス』

そのベンチプレスを始めたいけど、フォームを聞ける環境にいない、動画や参考書を見てもよくわからない等、トレーニングに不慣れな初心者の方に向けた『ベンチプレスを始めるまでの安全なステップアップ方法』についてお話します。

プレス(押す)種目について

プレス種目は二の腕のたるみを引き締める、たくましい胸板、腕や肩をつくれるなどの理由から人気の高い種目です。

また、日常生活においては腕力が衰えていると例えば“転んで手をついた時”に年齢によっては手首や腕の骨折のリスクも上がります

そして、そのプレス種目の中で、ダントツ人気なのが“ベンチプレス”ですよね。

確かにベンチプレスは胸、腕や肩など、多くの筋肉を同時に鍛えることができて、更には他のプレス種目と比べて高重量を扱うことができる種目のため、筋肉に負荷を沢山かけて鍛えることができます。

ベンチプレスの問題点

ただ、ここで問題なのは”ベンチプレスは、プレス種目の中でもダントツに怪我をしやすい種目でもある”ということです。

フォームを間違えていても、引いたり曲げたりする種目(例えば懸垂やアームカール)で怪我をすることは稀ですが、プレス種目はフォームの僅かな間違いで容易に”特に肩”の怪我に繋がります。

更にベンチプレスは高重量を扱うことができる種目でもあるため、その時の怪我は重症化しやすい傾向にあります。

ベンチプレスの怪我予防で最も効果的な方法はフォームの習得だということは間違いありません。

しかし、”理想と現実”として”聞ける環境、教えてもらえる環境にいない”、トレーニングに不慣れで”動画や参考書をみてもよくわからない”などの場合、どのようにしてプレス種目で肩の怪我のリスクを減らして、その種目の効果を安全に得るかがキーです。

では、ベンチプレスを行うに至るまでの安全なステップアップ方法を考えていきましょう。

怪我をしづらい”土台作り”

ベンチプレスまでのステップアップで一番大事なことは『急がば回れ』です。

そしてその『急がば回れ』で大事なポイントは2つです。

動作をイメージしやすいプレス種目から始める。

肩の安定性を高める種目から始める。

①動作をイメージしやすいプレス種目から始める。

人の情報の約9割は視覚から入ってくると言われています。

殆どのジムには大きな鏡が置かれているので、自身がどのようなフォームで行っているかは、ある程度客観的に見ることができます。

しかしベンチプレスは、仰向けに寝て動作を行うため、リアルタイム(動作中に)に視覚から得られるフィードバックが殆どありません。

そのため、ベンチプレス中に自分がどのように動いているかを把握するのは困難です。

また、例えばスクワット動作であれば日常生活で椅子や床からの立ち上がりなどで普段から行っている動作なので誰でもイメージしやすいですが、ベンチプレスの場合は日常生活で似たような動作が殆どないため、イメージしづらいことが余計に動作を難しくさせています。

そのため、ベンチプレスに似ている動作ではあるけども、視覚的なフィードバックを得ることが出来て、かつイメージしやすいプレス種目を選ぶことが重要です。

②肩の安定性を高めるトレーニングから始める。

プレス種目で怪我の多い部位はダントツで”肩”です。

“関節”は色々な種類に分かれていますが、肩関節は球関節に分類されます。

膝や肘は蝶番関節に分類され動きは大まかに曲げるか伸ばすかしかないです。

一方、球関節(肩・股など)の関節運動の自由度が高いのはご存知の通りです。

しかし、関節運動の自由度が高いということは安定性に乏しく不安定であるともいえるので以下のことが考えられます。

関節運動の自由度が高い=不安定=怪我をしやすい

そのためトレーニング初心者の方は「今日から始めるぞ!」と思ったらまずは肩関節の安定性を高めるトレーニングから始めることが重要です。

ベンチプレスまでのステップアップ種目

さぁ前置きが長くなりましたが、先述した①②の条件を満たす代表トレーニングをご紹介します。

それがこれ!

THE PRESS(ザ・プレス)

本稿はトレーニング種目の解説ではないのでざっくり紹介させてもらいますが、この種目は肩の安定性を高めるローテーターカフ(回旋筋腱板)の働きを強化することができます。

また、肩の怪我を予防するうえでとても重要となる筋肉、前鋸筋や僧帽筋(下部繊維)という筋肉の強化も図ることができます。

更に、ベンチプレスで必要とされる肩は勿論のこと腕や胸、ひいては体幹部の強化や、脚の使い方なども同時に強化することができます。

ベンチプレス初心者の方は、まず初めにこの『THE PRESS』から必ず強化してください!

 

その次はこれ。

インクライン・ベンチプレス

この種目を次に挙げた理由は『肩関節の安定性』を高める効果を期待したのではなく、『下ろして上げる』というベンチプレスの基本動作に慣れる準備段階として、インクラインベンチプレスはベンチプレスよりイメージしやすいためです。

 

そしてこの動作にも慣れたらいよいよベンチプレスにチャレンジしてみてください。

ここまでのステップを踏めた方は土台も出来上がり、『下ろして上げる』という動作にも慣れているので、ぶっつけ本番で始める方よりも怪我のリスクを減らせるはずです。

また、ここまでのステップを踏めているので、トレーニングに不慣れな時に比べて参考書や解説動画なども理解しやすい状態だと考えます。

参考動画はコチラ

投稿者プロフィール

Yutaro Masuda
Yutaro Masuda理学療法士
理学療法士として幾多の臨床経験を経て2020年に『RE-ALL FITNESS』を設立。
もともとは体重100kgオーバーの大食漢。腕立ても腹筋も出来ない男がアメリカンフットボールに出会ったことをきっかけにトレーニングを始める。やめてからはパワーリフティングに転向し、トレーニングに明け暮れる2児の父親。