ボディメイクの敵は”欲望”であり、味方もまた”欲望”である。

今回、お客様にボディメイクの”Before After”の撮影にご協力をしていただきました。

まず初めに、この場を借りて深く御礼申し上げます。

では、その結果を御覧ください。

 

介入結果

[トレーニングの目的]

  • 腰痛の改善
  • 減量

[サポート開始時]

体重:88.9KG

[サポートを開始して130日後]

体重:88.9KG → 69.5KG(-19.4KG)

+腰痛改善

[実際に行ったこと]

  • 週2回/1回60分のトレーニング(月会費プラン)
  • 週3回以上の自主トレーニング(主に有酸素運動)
  • 徹底した栄養、食事管理(栄養分析シート使用)
  • 前半は糖質制限、後半は脂質制限を実施
  • 後半は、週に1回のリフレッシュDay(好きなものを食べる)

 


 

私自身も100kg超えの体重から70kg台まで

減量した者として、これがどれだけ大変だったか伝わります。

だからこそ、この結果だけを見て「私も!」と

簡単に思ってはいけませんし

それと同時に「私には出来ない」と卑下して欲しくないのです。

そう思ってしまう場合、一番始めに行う”目標設定”と

“現実的な着地点”とのミスマッチが原因かもしれません。

1.目標と偏差値

お客様がトレーニングを始める時の目標

この目標を設定する前にする例え話があります。

 

「トレーニング目標は

高校や大学の偏差値と似ている」

  • 努力なしでも入学できる学校
  • 少しの努力で入学できる学校
  • 多くの努力で入学できる学校
  • 入学できる可能性が低い学校

 

この偏差値とは

  • 「〇〇kg体重を落としたい」
  • 「ベンチプレスを〇〇kg上げたい」
  • 「膝や腰の痛みをとりたい」

といった目標を達成するために

お客様に必要な努力量を指します。

そのうえで今の目標は

どれくらいの偏差値の学校でしょうか。

 

多くの努力で入学できる学校を目指すということは

  • トレーニング量が増える
  • 食事管理が厳しくなる
  • 外食先の選択肢が減る
  • 飲み会への参加が減る

などの時間や行動制限といった

犠牲を払うことになるかもしれません。

 

頑張って入学できたとしても

(目標を達成したとしても)

その学校の授業についていくためには

(その状態を維持・向上するためには)

入学前の努力量を継続しなければなりません。

(トレーニングや食事管理を継続しなければなりません)

なぜならば、それをやめれば

留年や退学となってしまうからです。

(元の状態に戻ってしまうからです)

そこまでしてでも

多くの努力で入学できる学校を目指しますか。

そして、留年、退学をしないために

その犠牲を払い続ける覚悟はありますか。

だからこそ

お客様の目標に対する”本当の”意志や熱量が

その目標とミスマッチしてはいけないのです。

2.トレーニングと歯磨き

当ジムは基本的に

「少しの努力で入学できる学校」

を、はじめに目指すことをオススメします。

その理由は…

 

トレーニングは歯磨きに似ています。

歯磨きをしなくても、すぐに虫歯にはなりません。

トレーニングも歯磨きと同様に

しなくてもすぐに日常生活に影響を与えることはありません。

しかし、歯磨きも運動も怠けた分の対価は必ず払うことになります。

たった数分の歯磨きでさえ苦痛と感じる人もいれば

「しなければいけないのだから」と淡々と行える人もいます。

更に、そのうえには歯磨きが楽しいと思える人もいます。

トレーニングや食事管理も同じです。

面倒と思っても仕方がないから歯を磨いている人がいるように

トレーニングや食事管理を苦痛と感じる方に「楽しめ」

ということは難しいでしょう。

だからこそ、面倒と思っても毎日歯を磨くように

トレーニングや食事管理も

「続けられる範囲で淡々と継続することが大事」

とするのが、当ジムの考えです。

頑張りすぎたり、目標を高く設定しすぎたことで

トレーニングや食事管理が嫌になり

結果的に全てやめてしまったら本末転倒です。

それが「少しの努力で入学できる学校」を

目指すことをオススメする最大の理由です。

「多くの努力で入学できる大学」を目指すことが駄目

ということではありません。

この歯磨きを淡々と行える方や、楽しいと思える方

または、この過程で心の変化があった方

そういった方にとっては、この学校を目指すこと

この学校生活を継続することが苦になりにくいので

選択肢の一つにすることができるということです。

さいごに

「当ジムのトレーニングや食事管理のサポートを受ければこうなれます!」

といった胡散臭い話をしたくて本記事を投稿したわけではありません。

今回の投稿にご協力いただきましたお客様は

当ジムのトレーニング以外にも

日々の自主トレーニングや

食事管理を徹底していました。

 

特別な方法はありません。

お客様自身が地道にこつこつと続けてきた結果です。

これが身体づくりの現実です。

身体づくりやリハビリにおいて理学療法士ができることは

進むべき道を照らし、その応援をすることだけです。

つまり目標を達成できたのは

紛れもなく、その道をご自身の足で

歩き続けたお客様の力だということです。

まとめ

  • 偏差値の高い学校を目指すということはそれに見合った犠牲を払うということ。
  • トレーニングと歯磨きは同じ。やらなくても即座に身体に影響を与えることはないが怠けた分の対価は必ず払うことになる。
  • だからこそ、目標に対する意志や熱量を客観的に分析し、それに見合った目標を目指し、継続することに重きを置くことが大事。
《理想に対する現実的な着地点》

例)「スタイルを良くしたい」だけど、実際は食べること好きで我慢できない。

スタイルを良くすることで肉体的には健康になるかもしれませんが、精神的には健康とはいえないかもしれません。だからといって、毎日好きなものばかり食べていては生活習慣病になってしまいます。「スタイルを良くする」ことが、どれだけのレベルかにもよりますが、スタイルを良くすることと食べることを天秤にかけた時、食べることへの気持ちが強いと感じるのであれば、そのスタイルの定義をある程度、落とすこと。そして、そのなかで適度な運動や、平日はしっかりと食事管理をして、休日には息抜きに数回、好きなものを食べるなどの現実的な着地点を見つけていくことが大事です。仮に肥満体型であっても運動習慣のある人のほうが、スリムでも運動不足な人たちよりも圧倒的に病気の罹患率や死亡率が低いというデータがあります。

 

誰かと比較したり、何かを目指すことも時には大事です。

しかし、人それぞれ得手不得手、好き嫌いがあります。

それはトレーニングや食事管理においても同じです。

誰かと比較して「私はダメだ」と感じてはいけません。

お客様が目指した学校、入学した学校で

良い成績を目指すもよし、進級することだけを目指すもよし。

モチベーションが高まれば編入するもよし。

大事なことはやめないこと。継続することです。

「足るを知る者は富む」

人間の欲望にはきりがないが、欲深くならずに分相応のところで満足することができる者は、心が富んで豊かであるということ。

投稿者プロフィール

Yutaro Masuda
Yutaro Masuda理学療法士
理学療法士として幾多の臨床経験を経て2020年に『RE-ALL FITNESS』を設立。
もともとは体重100kgオーバーの大食漢。腕立ても腹筋も出来ない男がアメリカンフットボールに出会ったことをきっかけにトレーニングを始める。やめてからはパワーリフティングに転向し、トレーニングに明け暮れる2児の父親。